姫路 「寺子屋 臥龍庵」塾長ブログ

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4月実力テスト<数学(中2)>分析

 実力テストの成績表が出ました。

 

 こちらの地区では、実力テストは専門業者が作成するものが使われます。

 

 そして、ほとんどの公立中学が同日に同じ業者のテストをします。ただし、年度によっては実施日が違って、もちろん問題が違うときもあります。

 

 今回、中2数学の平均点がなんと38.7点でした。

 

 私も日本語教師時代ですが、テストを作ったことがあります。テストの作り方の勉強もしています。

 

 その時に、聞いていたのは

 

「平均点を50点から60点くらいの難易度にする」

 

ということです。

 

 簡単過ぎても、難し過ぎてもダメなのです。

 

 そういう観点からみると、今回の実力テストは、テスト作成者には申し訳ありませんがダメを出します。

 

 私が担当している生徒たちは、平均点を大きく上回った者、ちょっと上回った者、(英語を担当しているので私のせいではないのですが)平均点よりもはるか下の者と見事に分かれました。

 

 ここで偏差値の話もしておきたいと思います。

 

 例えば、今回の数学で45点だった生徒がいたとします。保護者の方がその点数を見たら、「お前!春休み中に何してたんだ!」と怒ってしまう方がいるかもしれません。

 

 そこは、成績表が出て平均点を見るまでは、グッと我慢してもらいたいです。

 

 平均点以下であることが分かってから「このままではアカンで!」と言ってやってもらいたいです。

 

 偏差値は、ものすごく簡単にいうと

 

 「50+{素点(実際に取った点数)ー平均点}÷2」

 

で計算できます。

 

 例えば、今回の実力テストで45点取った生徒であれば、偏差値は、

 

 50+(45ー38.7)÷2=53.15

 

 小数第二位以下四捨五入して53.2

 小数第一位以下四捨五入して53

 

ということになります。

 

 実際の計算はもう少し難しいのですが、成績表が出る前に、だいたいの平均点を教えてくれる場合があり、偏差値をある程度予想することができます。

 

 さらに偏差値と内申点の関係もみてみます。

 

 内申点は、授業態度や課題提出なども考慮され、テストの点数(偏差値)だけでは決まりませんので、その点はご注意ください。

 

 内申点「5」をもらうには偏差値が60は必要です。点数でいえば、平均点よりも20点上回らなければなりません。

 

 内申点「4」は、偏差値が55以上が目安です。点数でいえば、平均点を10点上回らなければなりません。

 

 私が偏差値が50くらいの生徒を担当した場合、まずは偏差値55を目指してもらいます。

 

 そのためには、素点を10点くらい上げる必要がありますが、それは1問3点であれば4問分、1問2点であれば5問分正解を増やせば良いのです。

 

 これは実現可能な、そして現実的な目標でもあります。

 

 偏差値と学年順位の関係もみておきます。

 

 300人規模の中学校で計算してみると

 

 偏差値が60であれば、学年順位は50位くらいになります。

 偏差値が55であれば、学年順位は100位以内にはなります。

 もちろん偏差値50が学年順位150番です。

 

 ご参考にしてください。

 

 さて、平均点38.7点のテストとはいったどのようなものだったのでしょうか。

 

 令和3年度4月実力テスト「数学(中2)」分析

 

 大問1.計算問題(1問2点)

 (1)正負の計算

 (2)分数の四則計算

 (3)指数計算

 (4)文字式の計算

 (5)文字式の計算(カッコ付きの引き算)

 (6)文字式の計算(分数混じり)

 

 ケアレスミスを起こしやすい計算になっている感じはしますが、ここは全問正解で12点は確保してもらいたいです。

 

 大問2.小問集合(1問3点)

 (1)正負の利用

 (2)正負の利用

 (3)約数の個数

 (4)数量関係を等式で表す

 (5)数量関係を不等式で表す

 (6)規則性の問題

 

 定期テストレベルの問題だと思いますので、ここも全問正解で18点取ってもらいたいです。

 

 大問1.2.で30点分あります。平均点が38.7点だったということは、ここで点数を落としている生徒がかなりいるということが考えられます。

 

 昨年はコロナ禍で一学期の中間テストが実施されませんでした。

 

 その影響があったのかもしれません。

 

 大問3.一次方程式(1問3点)

 (1)①一次方程式の計算②一次方程式の計算

 (2)比例式の計算

 (3)定価計算

  この「定価計算」を苦手にしている生徒が多いような感じがします。私が昨年度担当していた中学受験生には楽勝の問題なのですが...

 

 (4)①②「道のり、速さ、時間」

 そもそも式を上手く立てられません。

 

 大問4.比例・反比例

 基本的な知識があやふやになっている生徒が多いです。

 比例・反比例のグラフの融合問題は、少し難しい感じですが、今後「一次関数」「二次関数」が出てきますし、その融合問題も解いていかなければ高校入試本番で対応できなくなります。どこかのタイミングでしっかりと復習させる必要があります。

 

 大問5.図形

 角度や面積、体積を求める問題は、少しひらめきが必要です。

 作図問題(角の二等分線)は、私としては結構練習させていたように思っていたので、できていない生徒がいてショックでした。

 

 大問6.資料(データの活用)

 

 兵庫県の公立高校入試問題によく出る単元です。中1の三学期に習った問題が、ここで出てきて解けないのであれば、はるか先の入試本番ではスッカリ忘れていて、解けなくなっているのは当然なのかもしれません。

 

 すでに中2の新単元の予習授業を進めていますし、中間テストに向けて対策も打っていかなければなりませんから、中1の復習を入れる余裕は無いのですが、なんとか時間をやりくりしていきます。