姫路 「寺子屋 臥龍庵」塾長ブログ

臥龍庵の門をくぐる者はいっさいの甘えを捨てよ! Twitter:臥龍(がりゅう)@koumei_garyu999

英語格差が広がる予感がする(1)

 2018年度に文部科学省から出された「新学習指導要領」により、2020年度から小学校では600~700語の英単語を学んでいます。

 

 さらに中学三年間では、学ぶ単語数が従来の1200語程度から1600~1800語へと大幅に増加しました。

 

 ちなみに「ゆとり世代(2002年度~2011年度の間に義務教育を受けた世代)」では、900語でした。

 

 つまり中1生は、すでに英単語を600~700語覚えているという前提で英語学習が始まっているということになります。

 

 今年の中1生は、実際にはそこまで単語を覚える勉強をしていませんから、小学生の時から学校以外で英語を勉強してきた生徒と勉強してこなかった生徒との間では、スタート位置がすでに大きく違っていると思います。

 

 私が担当している中1生(公立中学)の一人は、中学入学前に数か月ほど英語の予習授業をしましたので、少しは対応できていると思いますが、それでも今回の実力テストの結果を見なければ安心はできません。

 

 また、小学生時に英語を(学校以外で)特に勉強してなくて、私も予習授業をしなかった生徒(中高一貫校)がいます。こちらの学校は中間テストがあり、本人も「英語がよく分かりません。」と言っていたので心配です。

 

 昨日、(こちらの学校では英語は2教科ありますが、そのうち)1教科を持ってきてくれて、問題用紙に解答を書いていたので、チェックしました。

 

 「椅子のイラスト」を見てアルファベット「a c i r h」を正しいスペルに並べ替える問題で、

 「airch」となってました。

 

 文法問題でも、例えば、

 「あなたはこの机を使いますか。―いいえ、使いません。」

 「(Are)you (use)this desk?ー(No), I (am).」

などといったミスもあり、そのほか細々とミスがあったので、けっこう減点されている感じでした。

 

 心配していた通りです。

 

 この生徒は、週一で1コマしか授業を取ってもらっていません。そして、「英語」で取ってもらっていますが、その日によって自由に科目を変えて良いことにしていました。実は、上のお子様も同じ中高一貫校に合格させており、その時も同じようにしていて上手くいっていました。

 

 しかし、今回の結果を(まだ成績表は出ていませんが)みて、臥龍庵での授業では今後は英語をしっかりと勉強してもらうようにとお迎え時にご両親にお話ししました。

 

 さて、英語の予習は、まず意味の分からない単語調べから始める生徒が多いと思います。ということは、意味の分からない単語が多いほど予習時間が長くなります。

 

 新学習指導要領により新出単語数が多くなっているのですから、当然意味の分からない単語も増え、調べる時間も増えている。それが負担になっているのじゃないかと思います。

 

 それがもとで英語に苦手意識を持ってしまう生徒が、今まで以上に出てくるのではないかと心配しています。

 

 中2,3生にとっても、今まで年間1200語ペースで出てきた単語が下手をすると1800語ペースに急に上がるのですから、目が回ってるんじゃないかと思います。

  

 単純に計算すると、中2であれば、中1で400語(1200語÷3年間)勉強したとして、この後毎年(1800語-400語)÷2年間=700語ずつ覚えていかなければなりません。

 

 中3であれば、(1800語-800語)=1000語をあと1年間で覚えなければならないということです。これは想像以上にハイペースです。

 

 私は、他の講師と違う方針でしたので、単語テストを授業中に実施していませんでした。しかし、今年度からは、(まだ全員にではないのですが)実施するようにしています。

 

 とは言え、テスト形式は、単純に

  「化石→(     )」

といったやり方では、しません。

  「私たちは化石掘りをしました。→We tried (     )hunting.」

といった文章穴埋め問題形式で実施しています。

 

 この単語を単体(一語だけ)で覚えるよりも文章で覚えるというやり方は効果があると言われています。

 

 しかし、実際にチャレンジしてもらっている生徒の成績は芳しくありません。なかなか単語が頭に入っていかない感じです。こちらの生徒の学校は、今回中間テストがありません。6月の期末テストが最初のテストになりますので、(テスト範囲が広くなりますから)余計に負担が重くなると心配しています。

 

 今回テストが実施される学校もありますので、その結果を見ていろいろと考えていきたいと思います。