『中学生の基礎英語 レベル1』
9月号「なぜ、どうやって 英語を学べばいいの?」
第6回の記事は、「文法や文法用語がわからなくても、心配しないで!」です。
英語が苦手という方にその理由をたずねると
「中1の夏を過ぎた頃から文法がわからなくなった」
「先生が文法の話ばかりをしていたので英語がきらいになった」
とおっしゃる方が結構多い。
と松本先生が書いておられます。
松本先生は中学生時代に「パターン・プラクティス」で教えてもらったおかげで
「英文が頭にたまり」
文法用語を習わずとも知らず知らずのうちに身に付いたということを書かれています。
「パターン・プラクティス」とは、例えば
「I play tennis every day.」という文を先生が基本として言い、主語を「You/He/She/We」と変えた文を生徒にどんどん言わせていくという練習方法です。
「三単現の”s”」などという文法用語を使わずに、主語が「三人称単数(←これも言いません。)」になったら「動詞が”play”から”plays”」になることを自然に身に付けさせようとする練習方法です。
有効な練習方法の一つではありますが、実際には、学校の英語の授業内での練習量では身に付くほどの時間は取れないと思います。
松本先生は、さらに
「音読などを繰り返し行い、文法を頭にためこみましょう!」
とやはり音読練習の大切さを説かれています。
ただし、生徒にはどのくらいの(時間などの)練習しなければならないかを具体的に話さなければ、練習不足になると思います。
単語の書き取り練習もそうですが、生徒に「家で練習してきてね。」と言っても一つの単語に付き10回くらい書き取り練習をしただけで「練習してきました。」と生徒は言います。
「書けるようにならなければ50回でも100回でも書く練習をしなければ、覚えられませんよ。」といつも言ってます。
「10回書かなくても覚えられる単語もあるだろうから、そういうものは2,3回練習するだけにして、覚えにくいものをたくさん練習するようにすれば良い。」とアドバイスしています。
私は、教科書本文の音読練習を徹底的にさせていますが、家でも毎日練習するようにと指示しています。
練習をさぼっていれば、すぐに分かります。
「パターン・プラクティス」はさせていません。教科書本文を何回も繰り返し読ませることで、文法を頭に入れていくことが出来るのではないかと考えています。
三単現の”s”といえば、
『世界一わかりやすい 中学英語の授業』(関 正生 著)
という本を愛読しています。
実際の授業にもテクニックを使わせていただいてますが、その中に
「三単現の”s”」について、
「主語がI/Youなら”動詞”はそのまま。I/You以外の主語は、単数なら”動詞にsをつける(複数ならそのまま)”。」
と説明すれば十分と書かれています。
”s”の付け方のルールは別に教える必要がありますが、できるだけ文法用語を使わずに教えるというコンセプトは松本先生の考えと共通していると思います。
私の方は、教えるテクニックをさらに磨いていくとして、生徒たちにはとにかく練習不足にならないように指導していきたいと思います。