姫路 「寺子屋 臥龍庵」塾長ブログ

臥龍庵の門をくぐる者はいっさいの甘えを捨てよ! Twitter:臥龍(がりゅう)@koumei_garyu999

「こだわり」を良い意味で使いたい

 人には誰にでも「こだわり」というものがあると思います。

 

 「こだわり」の意味は、

 

 ①比較的どうでもいい事を気にしすぎて、いつまでも気にかけたり必要以上に手を加えたりしたがること

 

という意味で否定的な意味合いがあります。

 

 ですから例えば、「小さなミスにこだわるな。」というと、「気にしなくても良い。」というニュアンスで使われると思います。

 

 しかし、

 

 ②物事に妥協せず、とことん追求する

 

という肯定的な意味でも使われます。

 

 私の例でいえば、生徒たちに英語の教科書の本文音読練習を徹底的にさせているのは、この方法が有効であるという信念があり、「こだわり」をもっているからです。

 

 さて、

garyu999.hatenablog.com

 こちらの生徒ですが、昨日の英語の授業中に、

 

 「学校でもらったプリントに書いてある日本語訳と臥龍先生に教えてもらった日本語訳が違う。」

 

と言われました。

 

 生徒の声や表情からみると私は非難されたようです。

 

 学校の先生から、教科書本文の日本語訳のプリントをもらえるから、私との授業で日本語訳をする必要は無いのではないか。

 

 まして、学校でもらったプリントの日本語訳と臥龍先生が教えてくれた日本語訳が違うのは、私の日本語訳に何か間違いがあるのではないか。

 

という風に言われたような気がしました。

 

 「日本語の表現にはいろいろなものがあるので、同じ英文でも人によって違う言葉を使うことがあり、同じ日本語訳にならないことはある。でも言いたいことに違いはない。」と答えましたが、上手く伝わったかどうか分かりません。

 

 だたし、生徒本人がこういうことを言ってきてくれたことは、とても良かったと思います。

 

 この生徒の英語以外の4教科の偏差値は30台です。

 

 この生徒には何かしらのこだわりがあり、それが勉強を一歩進める障害になっているのではないかと思います。

 

 他の人から見れば何でこだわっているのかと思うことはあるでしょうし、こだわらなければ良いと思うことはあるでしょう。

 

 しかし、その人にとってはどうしてもこだわらなければならないことなのでしょう。

 

 その事を理解して指導していくことができれば、この生徒の指導が上手くいくのではないかと思っています。

 

 そして、「(悪い意味での)こだわり」を少しずつ取り除いていくことが出来て、「(良い意味での)こだわり」に変えていくことが出来れば、成績は上がっていくのではないでしょうか。

 

 さて、(私は特に興味が無いので、ネット記事があってもほとんどクリックしませんが)今話題になっている事で、「英語」での質問があったとのことで読んでみました。

 

 質問で私が気になったのは以下の文(質問の一部)です。

 

 「How did you feel when your engagement became a big scandal in the media, including being compared to Megan Markle?」

 

 日本語訳は、

 

 「ご婚約がメディアでメーガン妃と比較されるなど、大きな物議となったことをどのように思われるでしょうか。」

 

です。

 

 これに対しての回答が、

 

「It is sad for me to receive this sort of question, which may give the impression that false information is a fact. We have never considered our engagement to be a ”scandal,” though unfortunately, there have been some disputes. We have been horrified, scared, and saddened by the fact that false information has been taken as fact and that unfounded stories have spread.」

 

で、その日本語訳が

 

「今回のできごとが物議となったのは、誤った情報がなぜか間違いのない事実であるかのように取り上げられ、いわれのない物語となって広がったからだと考えます。このことには、恐怖心を覚えるとともに、辛く、悲しい思いをいたしました。」

 

です。

 

 質問の日本語訳は、その通りかなと思いますが、回答の日本語訳は、少し省き過ぎではないかと思います。

 

 もう少し本文に忠実に訳した方が良いのではないかと思います。

 

 それはさておき、私が、一番興味を持ったのは、

 

 「scandal」では無く「dispute」だと言葉を選んだところです。

 

 回答者は日本語で別に

 

 「英語の質問で使われているscandalには不祥事という意味もありますが、私たちの回答では、scandalは物議という意味であるという前提でお答えします。」

 

と言われているので、何かしらの「こだわり」があるのだと思いました。

 

 「不祥事」とは「一定の社会的な地位を持つ個人または団体などが起こした、社会的な信頼を失わせるような出来事」であり、

 

 「物議」とは「世間の人々の議論」という事ですが、「物議」は、「不祥事」が起きても起こるものだと思うので、どうしてそこにこだわったのかなと思います。

 

 話題が話題だけに生徒たちには紹介できませんが、回答文には

 

 「It ~ for +人 ~ to ~」

 「関係代名詞」

 「現在完了形」

 

と中学生にとっても重要な文法ルールが満載です。

 

 出来ればハッピーエンドの話で、生徒たちに英語の教材として使える話題だったら良かったのにと残念に思います。