「面積図」を使うかどうか?
中学受験の算数に「つるかめ算」というものがあります。これを解く手段として利用されているのが「面積図」です。江戸時代に開発された由緒正しき解法です。これは日本が世界に誇る数学者である関孝和(せきたかかず)のお弟子さんが考案されたそうです。
関孝和といえば、彼が主人公ではないのですが『天地明察』という小説があり(私は漫画で読みました。)映画化もされていますが、面白いのでおススメです。
さて、私は「面積図」を使った解法を教えたことがありません。
算数(数学)の解法は一つではないのですから、いろいろなやり方で解けば良いと思います。
「面積図」を使った解法を教えるのが上手な方はそれで教えれば良いと思います。
「連立方程式」を使った解法を保護者の方が教えるのは良くないという向きもありますが、お子様がそれで理解できるのであれば良いのではないでしょうか?
受験算数には「消去算」というものもあり、その考え方はまさに「連立方程式」だと思います。「消去算」を使って「つるかめ算」も解けます。
もちろん塾などですでに「面積図」で解く方法を習っていたら、混乱するので止めた方が良いという考えはあるかもしれません。
さて、「つるかめ算」ですが、「鶴と亀」が出てくる問題はワークには載ってますが、実際に本番で出ることは無いでしょう。
本番で出る問題は、例えば
「お母さんが、1本50円のりんごジュースと1本80円のミックスジュースを合わせて20本買ってきました。お金は1240円かかったそうです。りんごジュースとミックスジュースをそれぞれ何本ずつ買ってきたでしょうか。」
といったものです。
私は、こういう問題を「つるかめ算」と呼ばずに「合わせて~(←「ほにゃらら」と読ませています。)問題」と呼んでいます。
そしてこれを下のような表を使ったやり方で教えています。
リンゴジュース | 10本 | ||
500円 | |||
ミックスジュース | 10本 | ||
800円 | |||
合計 | 20本 | ||
1300円 |
私「まず10本ずつ買ってきたと考えようか。合計いくらになる?」
生徒「1300円!」
私「じゃあ、お母さんが払ったお金より高くなっちゃうよね。どうしたら良い?」
生徒「高いミックスジュースの本数を減らせば良いです。(←たいていこう答えてくれます。)」
私「ミックスジュースの本数を減らした場合を書いてください。」
リンゴジュース | 11本 | 10本 | |
550円 | 500円 | ||
ミックスジュース | 9本 | 10本 | |
720円 | 800円 | ||
合計 | 20本 | 20本 | |
1270円 | 1300円 |
私「もうちょっとだね。」
生徒「(さらにミックスジュースの本数を減らして)分かりました!」
極端にどちらかの本数が多くなるような問題はあまり出ないので、まずは合計本数を半々にして考えさせてます。
もちろん「20本全部りんごジュースだったらいくらになる?」ということから(これが「つるかめ算」の考え方でもあります。)表を作ってミックスジュースを1本ずつ増やして買うごとに合計金額が30円ずつ増えていくことに気づかせていくやり方もあると思います。
私が担当している受験生は、今のところこれで対応できるので、今年もこの方法で本番に臨んでもらいます。