姫路 「寺子屋 臥龍庵」塾長ブログ

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第一志望校の変更を余儀なくされるのか?

 兵庫県の高校入試は「複数志願制」といって

 

・第1志望校のみ出願

・第1志望校、第2志望校に同時出願

 

のどちらかを選ぶことが出来ます。

 

 ほとんどの生徒は、もちろん後者を選択します。

 

 ただし、「第1志望加算点」という制度があり、例えばこちらの第4学区(姫路および西播中播地区の高校)においては、「30点」加算されます。

 

 これは、もちろん第1志望の生徒には平等に加算されますから、第1志望校への合否に影響は無いのですが、第2志望校への合否には大きく影響があります。

 

 つまり、同じ高校を第1志望としている生徒と第2志望とした生徒とでは、第1志望としている生徒の方が有利だということです。

 

 しかし、兵庫県の公立高校の合否判定は「内申点+当日点(+加算点)」で決まるので、第1志望校と第2志望校の合格可能内申点に30点の差があれば、「加算点30点」があっても大丈夫と考えて、それを考慮して第2志望を選んでいる生徒がほとんどで、第1志望校が不合格であっても第2志望校には合格しているようです。

 

 さて、今回の兵庫模試(第2回)の結果を踏まえて

garyu999.hatenablog.com

保護者の方々には、「第1志望校をもう少し考えて選ばなければならない時期にきていると思います。」と話をしています。

 

 この時期は、ほとんどの生徒(中3)は、第1志望校は、「(自分の学力で)合格できる高校」ではなく「自分が行きたいと思っている高校」にしています。

 

 もちろんそれで悪いということではありません。

 

 過去においても、私が担当してきた生徒の中に、第1志望校合格には、学力が全く足りなかったが、夏休みにものすごく頑張って成績を上げ、最終的に見事第1志望校に合格できたという生徒が何人もいます。

 

 それは、「第1志望校に絶対に行きたい」という強い気持ちがモチベーションになって頑張れたのだと思います。

 

 そういうわけで、今年度の生徒(および保護者様)にも「変えてください。」と話をするわけではありません。

 

 そもそも各中学においては担任の先生方が、かなり慎重に考えられるようで、「ギリギリ危ない」と思われる生徒には「GOサイン」はあまり出さないような傾向があり、第1志望校のランクを一段下げるようにアドバイスされることが多いと思われます。

 

 そしてその指導に従う生徒(や保護者)が多いように感じます。

 

 私は、(もちろんデータを元にですが)「ギリギリ」であれば、「落ちたら第2志望校に行って頑張る」との生徒や保護者の方の気持ちを確認して、第1志望校にチャレンジする方を勧めることが多いです。

 

 実際に、第1志望校に落ちて、第2志望校に行った生徒さんが何人かいますが、「第1志望校にチャレンジしていなければ、もしちゃんレンジしていたら合格していたのではないか?と後悔したかもしれないので、結果として落ちたけどチャレンジして良かった。」と言ってました。

 

 さて、公立高校の志願選択には、もう一つ「普通科」にするのか「商業科や工業科など」にするのかという問題があります。

 

 初めから「商業科、工業科など」を志望している生徒もいますので、それは問題ないのですが、とりあえず「普通科」という生徒も多いです。

 

 そういう生徒(や保護者の方々)には「商業科や工業科など」も視野に入れてはいかがですかとアドバイスしています。

 

 これは決して偏見ではありませんが、ランクの低い普通科の高校へ行くのであれば、早いうちに何かの資格を取れる商業科や工業科などに進学するのは一つの考え方ではないかと思っています?

 

 また、これも誤解の無いように願いたいのですが、ランクの低い公立高校へ行くよりは、私立高校という選択肢もあると思っています。

 

 こちらの地区では、昨年度(令和5年度)、一昨年度(令和4年度)と公立高校普通科および工業科においてかなりの定員割れが起きています。

(出典)兵庫県教育委員会HP

 

 上の表は、令和4年度、令和3年度のデータですが、公立普通科において、赤穂高校、上郡高校といった姫路から通学可能な高校で定員割れが起きていました。

 

 もちろん通学が大変ではありますが、不可能ではない神崎、夢前、作用、山崎といった高校も定員割れでした。

 

 つまりどこでも良いので公立高校に行ってほしいと保護者の方が願い、生徒もそれで納得するのであれば、いける公立高校があるということなのです。

 

 工業高校もかなりの学科で定員割れが起きています。

 

 この傾向は令和5年度においても同様でした。

 昨年度(令和5年度)は、南、網干までもが定員割れとなり、非常に驚きました。

 

 南は、志願者数が定員割れ(そのまま受験者数も定員割れ)していたのですが、第2志望にしている生徒が多い学校なので、結局は定員まで埋まると予想していたのですが、第1志望で合格した生徒が多かったようで、第2志望で回ってくる生徒が定員を埋めるほどではなかったという結果になったようです。

 

 網干は、令和4年度も受験者数は定員割れでしたが、結局定員を確保できているのは、まさに第2志望の生徒が回ってきた結果だと思います。それが令和5年度には、南と同じく第2志望で回ってきた生徒を含めても定員割れになったということです。

 

 この2校(南、網干)が定員割れになったことが、今年度(令和6年度)の高校入試にどのような影響が出るのか気になるところです。

 

 今後も生徒や保護者の方とコミュニケーションを取りながら、進路指導していこうと思います。